我家は小学校に住んでいる。(もー、そっからヘン)
朝、私は上ジャージで下トランクスのまま廊下に出たら、
近所が持ち寄った燃えるゴミが置いてあった。
各教室に家族が住んでいる。
パンパンの半透明ゴミ袋の中に、
まだ長い色鉛筆がごっそり入ってるのをみつけた。
うぁ..もっっったいねぇぇぇ...。




 

しゃがんでジッと見てたら、となりの教室から、
「行ってきまぁぁす!」と、友達の奥さんと子供が出てきた。
トランクス姿でゴミを眺めてたヤバすぎる私は、
猛ダッシュで校舎の階段をダダダダかけ降りて逃げた。
そのままオモテへ出た私は、
商店街を歩いた。
そこは田舎の、昔のまんまのネンキの入った商店街で、
白熱電球を灯した、魚屋さんや八百屋さんや婦人服屋さん、
赤い陶器のポストが立ってる郵便局なんかが
タタタっと並んでいて、シャッターの降りた店なんかは一軒も無く、
皆いきいきと商売している。




 

私はその、暖ったかさと懐かしさにジンワリ来てしまって、
一人泣きながら歩いている。
上ジャージで、下トランクスのままで。
商店街をぬけると、景色が田んぼと畑になった。
道の端っこに、澄んだ水がコンコンと流れる水路がある。
覗いてみると、魚がたくさんいる。
めだか、フナ、うなぎ、ながーい魚、平たーい魚、熱帯魚、他多数。
そして私の足元に、カレイが、ピタピタッ!!と打ち上がって来た。
私は、どれどれ、しょーがないなぁ、と水路に戻してあげた。

 



 

道の先には、どっかから集まって来た、
農家のおじちゃんとおばちゃん達が集っており、
「いやぁぁ、こごのサガナはイキが、いいナィ〜〜〜。」と
なつっこい顔で言葉を交わしている。
キンチャク袋に入って顔だけ出した、カワハギも道路に置いてある。
きっとどこかの家の晩飯のオカズとなるんだろう。
キモは刺身だなぁ。
水路には、山の方から流れて来る水路がTの字に合流していて、
そこにはアミが仕掛けられており、
カワハギが大量にかかっていた。
きっと村じゅうの今晩のオカズとなるんだろう。
「わーい、今夜は、ごちそうだーっ。」と、
青地に白いラインが2本入ったジャージの
丸坊主の二年生の、
口の横にご飯を2粒つけた男の子が、
右手に箸を持ったまま叫ぶに違いない。
いつのまにか、上下ジャージ姿となっていた私は、この先、、、
<完>

ここで私は目が覚めた。
こんなキリのいいところで。
ナンの疑いもなく見続けた恐ろしさは、ともかくとして、
ありがとう、何処かの誰か。